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ユニットケアの課題とは?

現状の課題も知っておこう

ユニットケアには様々なメリットがある一方で、いくつかの課題も残っています。

現状の課題も知っておこう

利用者の重度化

ユニットケアにおける現状の課題としてまず挙げられるのが、利用者の重度化です。高齢化の影響もあり、在宅介護が困難な高齢者が増えています。そういった方々に対して効率的にサービス配分をするために、2015年から特別養護老人ホームに入居できる利用者は要介護3以上の人に限定されました。2023年に厚生労働省が行った調査によると、ユニットケアを導入している特別養護老人ホームの平均介護度は4.0で、老人保健施設は3.1であることが分かっています。この通り、特別養護老人ホームの介護度の方が0.9ポイントも高くなっているんですね。平均介護度が高くなったことにより、利用者1人ひとりにかかる介護量や時間も増えています。個別性が重視される介護では、利用者のペースに合わせたケアが求められます。相手の行動や言動に対して「待つ」時間が必要になりますが、介護量の増加によってこの時間が確保できなくなっています。そのため、ユニットケアの根底的な概念である個別ケアが難しくなっているんですね。

感染症に関する課題

新型コロナウイルス感染症の存在も、ユニットケアに多大な影響を及ぼしています。現在はある程度緩和されましたが、コロナ禍の際は感染防止のためにユニット間の移動や外部からの人の出入りが厳しく制限されていました。その結果、感染対策としては有効ですが、利用者にとっては孤立した空間となってしまいます。また、これまでは利用者の能力や意欲を引き出すことを目的として家事への参加などが認められていましたが、感染予防のために依頼できなくなってしまったんですね。そのため、ユニットケアにおけるメリットの1つである生活感を得にくくなってしまったのです。感染症の5類に移行した現在も、地域や施設によって対応の差がありますよ。

コスト面の課題

設備投資にかかるコストが高い点も課題といえるでしょう。バリアフリー環境や最新の機器を導入するためには多大なコストがかかります。補助金などを活用しても、十分な資金を用意することができないケースも少なくありません。その結果、施設そのものの運営が圧迫されてしまうんですね。加えて、設備の更新をする度に多額のコストが発生します。
一方で、利用者にも金銭的な負担が発生します。居住費および光熱費などは利用者から徴収しますが、個室であるユニットケアはこの費用が従来型よりも高額です。そのため、ユニットケアを希望していたとしても、金銭的な理由で自分の望むケアを受けられないこともあるんですね。